8月8日に、インドネシアとの第5回目のセッション、「社会の不平等について(労働、ジェンダーの視点から)」を開催しました。
今回は日本とインドネシアの労働環境において見られる不平等性、不公平性について話しました。現在、「女性の社会進出」が重要視され、徐々に女性が働きやすい世の中が少しずつ出来てきたという声も上がってきています。
「女性の社会進出」という観点で少し遡ってみると、1950、60年代の高度経済成長期に、労働力不足が顕著になるにつれ、多くの女性(特に40代以降の主婦)が「パート」として働き始めたということが挙げられるかと思います。
そのことによってもちろん女性の経済的自立が進んだことはある程度あると思いますが、それと同時に、女性=非正規雇用という固定概念がより広まっただけでなく、非正規雇用者に対するスティグマも深まったという説もあります。
昨年やっと「同一労働同一賃金」が打ち出され、少しずつ正規雇用者と非正規雇用者との待遇の差が埋まってきましたが、今でも人々の意識にはなかなか変化が見られていないとされています。
ここまで日本人女性の話をしてきましたが、日本の労働社会に従事しているのは日本人だけでなく、インドネシア人を含めた多くの外国人の存在がとても大きいということも忘れてはいけません。特に外国人技能実習制度は諸外国から「現代の奴隷制度」と言われており、大幅な法改革が実施された今、特に草の根的な改革が必要とされています。
つまり、日本の労働社会と言えど、日本人だけの問題だけではないのです。
インドネシアでも、国全体としての経済成長は見られるものの、まだまだ男女平等な世の中とは程遠いと言えます。まだ、生産年齢人口に属する女性の半分しか手に職がない状況で、男女間での賃金格差なども色濃く残っているそうです。
ディスカッションでは、「看護師」と「看護婦」など、職業の呼び名に見られる固定観念や、NGO、NPO、政府機関の取り組み、社会課題解決ビジネスなど多岐にわたるトピックについて話せました。
「自分達の手で自分達が住みたい世の中を作らなきゃ!」
ディスカッションの時にある日本人の参加者が言ってくれた言葉です。もちろん世の中にはたくさんの弊害があり、大きな変革を起こすことは大変難しいことは重々承知しています。でも、本気でこういった意識を持って日常生活を送ることが大きな一歩なのではないでしょうか。
次回の通常セッションは8月22日となります。とてつもなく早いもので、次回でインドネシアとのセッションは最後となります!
こちらからご参加登録よろしくお願いいたします!
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